あるとたたん

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写真好きの前向き日誌〜只今、子育て奮闘中〜

014.島本理生「ナラタージュ」

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忘れられない過去があって、どうしても忘れたいと思っていました。しかしながら、忘れることはできないし忘れてはいけないのだと分かったとき、その過去とどうやって付き合っていくべきかを考え始めました。

 

 

大人になるについれて薄れていく記憶。だけど、記憶と反比例するように何かが強く濃く残っていきます。それは後悔や反省と呼ぶような感情かもしれないし、開き直りと名付けても間違いでは無い気がします。

大切なものを失ったように思いがちだけど、大切なものと過ごした記憶はずっと無くなりません。無くならないからこそ、一生背負っていかなければならないのです。

 

島本理生さんの書く文章は、私の中にある過去の記憶との付き合い方を教えてくれます。本に出てくる主人公の感情は、私が過去にどこかで抱いたことのある感情とシンクロしていて、主人公の感情が整理され救われると私自身も救われるのです。

 

例えるなら、秋雨です。「ナラタージュ」はしとしとと降る秋の小雨に似ています。落ち着いた雰囲気がありながら、凍えるような寒さと紙一重。温かい陽気が見えてきても、もしかしたらまた雨が降り出すのではと立ち竦んでしまう時。

 

この本を初めて読んだのは、大学生のときです。それから数年おきに思い出したように4回程読みました。読み返す度に、受け取る物が変化していて自分の過去が変化していることに気づきました。私の過去が消えない限り、また読み返すときが来るでしょう。だから、私の本棚にはいつもこの本があるのです。

 

 

 

 

 

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